犬も平気でうそをつく?
スタンレー・コレン
やったー!!
コレン先生の本の、新しいのが出たよー!!
さっそくダッシュで買いに行って、そっこうで読みました。
前三作では、「犬の思考能力・学習能力」「犬の言語能力とコミュニケーション」「人と犬の関係・相性」についてそれぞれじっくり語ってくれたコレン先生が、今回は「犬は何を考えてるのか!?」「犬は世界をどんな風に見て、どんな風に感じているのか?」についてお話してくれてます。
視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚(大事!)・・・そして第六感、ESP(実は抜群の聴力・嗅覚のなせる業?)にいたるまで、「犬の感覚」を大解剖です。
原題は「How Dogs Think?」。
ものすごい知りたいですよ、アッシュが何をどう感じて、どんなふうに考えてるか!!
科学的な調査を元に、犬の心理を分析していくお馴染みの手法は今回も炸裂。
人間の心理学者としての「科学者の目」と、ただの犬バカ親父の目線が交互に顔を出すようなコレン先生・・・。
科学者として、“擬人化”による思い込みは絶対タブーなのがわかってるからこそ、それを自分に言い聞かせながら研究を進めてる(?)姿が思い浮かぶよ・・。
前三作の総括っぽいこの本なだけに、そのさまが顕著です。
それとね、もうね、この本読んだら、アッシュの匂いフェチワールドが納得できたよ。
犬界屈指の鼻キングは断トツでブラッドハウンドなんだけど、その嗅覚細胞の数は約三億。だいたい第二位のジャーマンシェパードが約二億五千五百万個。
そして我らがビーグルも、堂々の同列二位、二億五千五百万個なのよ。
これって実はすごいこと。
だって大きい犬に大きい鼻が付いてるのは当たり前でショ?
大きな鼻は嗅覚細胞もいっぱい詰まってる。
しかーし!
ビーグルは、平均体重で言って三倍近いシェパードとほぼ同じ数の嗅覚細胞を持っている!!(確かに、顔の大きさに対して露骨に鼻がでかいもんな・・。)
ちなみに、フォックステリアは一億四千七百万個。
ダックスフントで一億二千五百万個。なのらしい。
もし!全犬種・鼻キング選手権が開催されて、ウエイト別に選考されたら、ビーグルったらぶっちぎりキングなんじゃ…。
ちなみに人間は、わずか五百万個。
単純に考えても、50分のイチしかないのよ。
ある種の匂いについては、感度は人間の一億倍もあるんだって!
人間が感じられるギリギリの匂いを一億倍に薄めても、わかる。
そりゃーねー、嗅ぐよ、匂い。
どこに何を隠そうともバレバレよ。
そいでその、「人間の一億倍イイ鼻」って言うのが、どれくらいすごいものかってことも、実話を織り交ぜながらわかりやすーく書いてくれてます。
まじですげーよ、一億倍イイ鼻。
だけどさー、実際のところ、納得は出来ても本当の意味での理解なんか出来ませんよ。そんな世の中のほとんどを匂いで判断するよーな生活!
けど、だからこそ、あたしは尚更、犬と人間の間にある[違い]を乗り越えて歩み寄って、気持ちを通じ合わせたいなー、と思うわけです。
嗅覚だけじゃない。
視覚も聴覚もなにもかも違う異なる種なのに、くっついて眠って、りんごを分け合って食べて、友達にも家族にもなれる。
やっぱり犬ってすごい。
コレン先生の本を読むと、いつもそんな気持ちになれます。
それはきっと、コレン先生の研究そのものが、自身の犬を理解したいというところからスタートしてるからなんじゃないかなー。
そいでイロイロ調べたりしつつ、「やっぱ犬ってすごい!」って、コレン先生も思ってんだろうなー。
ちなみに、アッシュもうそをつきますし(もらってないふりや気付かないふりなど)、この本にある「出し抜く遊び」もよくします。
靴下をくわえてはぎりぎりのところでポトリと落として「取れる?」って挑発するアレ。
アレこそ、犬が高度な社会性や意識や論理的思考力を持ってる証拠なんだそうだよ。
でもそんなこと、フツーに犬見てたらわかるよね?
それを細かく分析して、理論的に構築しちゃうとこが面白いんだ、コレン先生の本は。
あと、はしばしに盛り込まれる[犬エピソード]も、今回も豊富です。
老犬生活へのちょっとしたアドバイスや、しつけへのヒントなども、経験者であり、犬の訓練師でもあるコレン先生だからこその具体的なアイデアがいっぱいです。
前三作を読んだことがない人にもオススメの一冊です。
犬の能力を理解すれば、彼らの気持ちに更に一歩近付ける…かも!
コレンファミリーとしてお馴染みだった、キャバリアのウィズもフラットコーテッド・レトリバーのオーディンもこの世を去り、読者としてはなんだか寂しい・・・。
けど、過去の作品中で「新顔」として紹介されてたダンサーがすっかり古株になって、新たにキャバリアのバンシー、ビーグル(!!!)のダービーが仲間に加わっています!!
コレン先生(垂れ耳好き?)の犬まみれ人生は、まだまだ続くらしいよ!!