ロダンのココロ 春 (朝日文庫 (う21-1))
内田 かずひろ
たとえば、いつもと変わらない散歩道なのに妙にご機嫌いいときや、昼寝してるのかと思ったらパッチリ目が開いててじーっとこっちを見てるとき。
イヌと暮らしていると、
今なに考えてるんだろう?と思うことの連続です。
年を重ねるほどに表情がどんどん豊かになっていって(プラス、こちらの読み取り能力の向上もあるかも)、微妙な気持ちもお互いに伝わるようになってきて、ますます、「ねー、今なに考えてんの?」って聞きたくなることが増えてきました。
ロダンは中年のラブラドールレトリバー(たぶん)で、ごくふつうの一家の一員。
生真面目っぽいロダンは、三人の人間(ダンナさんとオクさんとおじょうさん)の中で暮らしながら、いろんなことを考えてる。
イヌだから、人間のことをちょっと間違った解釈してることもあります。
例えば、花粉症でマスクをしているダンナさんをじっと観察して、いろいろ考えるのだけど、ピントがちょっとズレてて可笑しいやらかわいいやら。
アッシュも、化粧をしてるあたしをじっと見てたり、掃除してるとこを付いて回ったりしながら、いろいろ考えてるんだろうなー。
人間の鈍感さにあきれたり不思議な行動に首をかしげたりもするけど、楽しいことや気持ちいいことは同じ気持ちで味わって、いっしょに歩いて生活してる。
全く違う感覚で生きている、違う種族なのに、こんなに家族になれる!!
イヌっていいなーって感じることの出来る一冊です。
シンプルな線の絵で、一ページ8コマで一話、というとても読みやすいコミックです。
この本には「春」のお話ばかり入っているので、今、この季節に読むと感情移入もひとしお!ですよ。
あたしと桜の花を見てるとき、アッシュはなに考えてたのかなー?
ただ、とても人(イヌ)のいいロダンと比べると、アッシュにはなにやら
黒い部分がありそうな気がしてなりません。
無邪気な半笑いで靴下を剥ぎ取り、裸足になった足をガリガリ引っ掻いてさらに脱がそうとする!!
「もうなにも脱げないよ!」と叫ぶ飼い主を見て、大喜びです。
皮が脱げたら怖いっちゅーねん!
けっこう
黒い笑いが好きなアッシュ王子は、今日も窓の外を眺めていました。
なに考えてるのかな・・・?