人生最高の10のできごと
アディーナ・ハルパーン
散歩中に起こった突然の交通事故で、愛犬ともども死んでしまった主人公。
気が付いたら、天国にいた!!
しかもその天国は、最高ランクの第七天国。
子供のころの憧れだった邸宅が、自分の家として用意されている。
内装は大好きなシャビーシック風に統一されていて、リビングには巨大なプラズマテレビ。
寝室ひとつがまるまるでっかいクローゼットになっていて、最新流行の洋服と靴とバッグが山盛り。
どんな靴を履いても、足は全く痛くならない。
化粧は全く崩れず、水を被っても次の瞬間には髪はパーフェクトにセットされる。
猛烈に美味しい食事、しかもいくら食べても太らない。
生前の悩みの種だった、ニキビ痕も吹き出物もセルライトも余分な脂肪も全て消える。(スゴイ!)
大好きだった祖父母とも再会できる!
そこは、“地上で立派なことを成し遂げた人だけが行くことが出来る最高の天国”。
ヒロインのアレックスは、第七天国での居住権を獲得するために、天使から課題として「人生最高の10の出来事」を作文に書くように命じられる。
自分が成し遂げたこと、生きていたらそのあと成し遂げたであろうこと、自分が第七天国にふさわしい人物であることが伝わるように書かなくちゃいけない。
さもないと第四天国に落とされる・・・。
そうなったら、犬はみんな第七天国にいることになるので、一緒に死んだ愛犬ピーチ(ビーグル!)とも離れ離れになるし、家はマンションの一室、クローゼット(ふつうのサイズ)の服は去年や三年前のコレクション、現世と変わらず足の指が痛くなる靴、市民プール・・・。
死ぬまでの自分の人生を振り返り、作文を書こうとするのだけど、29歳で死んだアレックスのそれまでの人生ときたら・・・。
さて、アレックスは果たして最高の第七天国に残ることが出来るのか!?
29歳の女性の物語としては、主人公がずいぶん幼いなーと感じたけど、でも36歳になったあたしも似たようなもんだ…。
失敗しても迷惑かけても心配かけても、どうにか自分の人生を切り開こうとしただけ、主人公のほうがガッツある。
こんな漫画みたいな物語でも、支柱が社会的&経済的成功と自己実現にあるあたり、よくも悪くもこよなくアメリカ的(天国の設定からして!)な話です。
明るくおしゃれでサクサク読めて楽しくて、ちょこっとホロリとするとこもあって、おやすみ前のリラックスタイム読書にぴったり(^v^)
伝説のロックスターがみんないるという第四天国にも行ってみたいけど(あたしの好きなロックスターもいっぱいいるのかも?)、でもやっぱり第七天国がいいな・・・。
生きてたころの主人公が愛犬ピーチと出会って、しつけに一念発起するくだりが(現実は小説のように急にぜんぶが上手くいくわけじゃないけど!)すごく好きで、わかる!と思いました。
映画化するらしいんだけど、愛犬はぜったい原作どおりビーグルにしてくれないとだめだからね!
…あたしがもしも第七天国に行けたなら、でっかい漫画喫茶邸(ネットつき・ウォーターベッドつき・ハイテクマッサージチェアつき・視力回復済み・どんだけ細かい作業に没頭しても凝らない肩つき)に住めたら最高です。