朝起きたら、傍らに眠っているはずのあっとちゃんがいなかった。
あたしが起きるまでいつまでも一緒に寝ているぐーたらイヌのはずなのに、ベッドにいない。
嫌な予感がしてハッとして飛び起きたら、あっとちゃん台所で何かクチャクチャしとる!
ティッシュ!?慌ててとんで行って取り押さえて、口のなかに指を突っ込んだ。
(目覚めからここまで5秒)
ギリギリと歯を噛み締めるあっとちゃん!!
イタイイタイ!!
ティッシュを取り上げるために、顎をこじ開けるように、更に深く指を突っ込む。
開くあっとちゃんの瞳孔!!
指に食い込む歯!!
あっとちゃんはこういうとき、ガブッとは噛まなくて、あたしの目を凝視しながら、ゆっくり徐々に顎の力を込めて噛み締めるんよ!!
限界を測りながらあたしがギブするのを待つ戦法なんだろうけど、そーはいかんよ。
あっとちゃんが根負けして顎を緩めるまで膠着状態が続きます。
で、結局疲れて顎が緩んだ瞬間に、ガッと口を大きく開けさせて、ティッシュは無事に取り上げることができたんですけど。
なんとゆーか。
こういう攻防、何年ぶりかしらー。
指をギリギリ噛み締められる感じ、無言でプレッシャーを掛け合うこの感じ。
お互いいい年して、いまさらまたこれをやる羽目になるとは思わなかったけど、無事に取り上げられてよかった。
あと、イタズラの気配で「ハッ」と覚醒するあの感覚も、数年ぶりに味わったわー。
忘れた頃にティッシュとかね…。
さすがにもうティッシュには興味無くしたと思ってたわ…。